テレビはともだち? : Relationship with TV
ずっと試行錯誤していた、テレビとのつきあいかた。特に子どもに与える影響について。
すとんと腑に落ちる、納得のいく本に出会ったので残しておきます。
『テレビが子どもにどのような影響をもたらすかということをしっかり客観的に知った上で』
良いか悪いか、見せるか見せないか、時と場合に合わせて。無理がないように。
判断していけたらいいなと思います。
出典
シュタイナー教育の音と音楽 ~静けさの多いの中で~
吉良創 きらはじめ 著 学研 eco-books
〜以下抜粋&まとめ〜
テレビを見ている 子どもを一度観察してみましょう。
テレビの前でぴたっと動きを止めたままたち、吸い込まれているかのような印象を与えるような見方で、凝視しています。
おとなは何かをしながら、テレビを見るということができますが、幼児は他のことは全くせずに、身動きせずにモニターに向き合い見入っていきます。そしてそこから発せられる映像と音の情報をひたすら受け取ろうとしています。その際、情報の取捨選択はせず、すべてを吸収しているのではないかと思われるほどの集中力で、光の刺激の映像と音を受け止めているのです。
1)身体への影響
本来動いている存在の子どもが、テレビの前でじっとしているのはなぜでしょうか?
一点を凝視するために緊張して動かない状態、眼の筋肉を動かさない状態になるから、
それにより、身体の他の筋肉すべても同じように動かない状態になるからです。
テレビの内容がどんなに教育的に良いものであっても、どんなに素晴らしい自然の情景の映像であっても、
『からだの動きが止まること』は生じます。
2)脳への影響
子どもは情報の取捨選択はせず、目の前の全ての映像と音の情報をひたすら受け取り、消化しようとします。
外にある世界のものを、「よいもの」として受け止める力をもっています。
(その力があるから、幼児は周りのにんげんの営みを真似していけるのです。)
その情報は脳で加工されていきますが、テレビからの与えられた情報を扱うことだけに脳が使われていくと、脳は受身的な連想的な思考のための道具として形成され、創造的独創的な思考はできにくくなってしまいます。
常に外からの情報や刺激がないと、動かない道具になってしまうのです。
〜年齢別 テレビとのつきあい方〜
3歳以下の子ども
:直接体験し、感じ、いっしょにやってみて、立つこと、歩くこと、話すこと。遊びの中で人間であること、人間の営みを『まねすること』『模倣すること』で学んでいく期間。
必要な情報はすべて生活圏の中にあるから、他のメディアは必要とされません。
9歳以上の子ども
:自分でテレビを見る時間を決めて守ること、自分を自分でテレビから切り離すことができること、つまり、メディアに客観的に向かい合うことが少しずつ可能になる期間。
できればおとながいっしょに見て、その内容について感想を言ったり感想を聞いたり、テレビでみたことが生活の中の実体験と結びつけられるようにしていくと、受身的な行為ではなく、積極的な行為を加えることができます。
思春期以上の子ども
:自分でメディアとの付き合い方を決めていく、自分で判断して行動していくことを学んでいく期間。
おとなは彼らがよい判断をできるように、意見や可能性を示すことをしていき、最終的な判断は彼らに任せます。
〜おうちにテレビがあるけれど、上手に距離を取りたい人への提案〜
1) テレビのスイッチをいれるのは、子どもが寝ている間にする。
2) 見たい番組は録画する。
3) 子どもが過ごす居間にテレビがある場合は、上から布をかける。(←これ、すぐできておすすめです)